生命の神秘 遺伝と環境 |
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遺伝―遺伝と環境 どちらもたいせつ @ 設計図と材料の関係 遺伝物質を個体発生の設計図にたとえると、環境は外から供給される材料にあたる。環境としては、まず母体の血液から直接つたえられる栄養、体内や出産時の条件がある。 また出生後は育児、教育のしかた、食事、気候など物理的・化学的・心理的・社会的・経済的な個体をとりまくあらゆる原因が考えられる。 A よい設計図とよい環境 設計図に大きな狂いがあると、どんなに立派な材料を使っても、できあがった作品には欠陥ができる。反対に、どんなにすぐれた設計図を備えていても、つかわれる材料が不適当であると、貧弱なものが出来上がる。この意味で、遺伝と環境は、そのどちらもゆるがせには出来ない。 染色体に異常があるとき @ 染色体の異常による病気には、次のようなものがある。 ● ダウン症候群 精神薄弱の一種で、心身の発育が遅れ、特有の顔つきをしめす。21番目の常染色体が、1本余分にある。 ● ターナー症候群 外見は女子、身長が低く、性腺が未完成。性染色体はX染色体が1本しかない。 ● クラインフェルター症候群 外見は男子、乳房の肥大があり、精嚢が小さくて不妊。性染色体は2本のX染色体とY染色体とがある。 A このような患児は、たいてい正常な両親から突然変異によって生まれる。ダウン症候群の子供をうむ危険性は母親が35歳を過ぎると急に高まる。 遺伝子に異常があると 遺伝子の異常による病気は非常に多く、単純な遺伝をするものだけでも、約300知られている。 @ 優性遺伝病 常染色体の上の遺伝子は、2個ずつ対になって存在する。この2個のうち、1個が正常遺伝子で、他の1個が変異遺伝子になっている場合をヘテロという。ヘテロの状態で病気をあらわしてくるものを「優性遺伝病」と呼び、四肢短縮症や両側性網膜膠腫(幼児の目をおかす悪性のはれもの)などがある。 A 劣性遺伝病 ヘテロでは健康に異常はないが、対になる遺伝子が2個とも変性遺伝子でおきかわると、はじめて病状をあらわしてくる。これを「劣性遺伝病」という。白子やフェニルケトン尿症などである。患児の両親はどちらもヘテロ保菌者である。 B 特異な遺伝 X染色体の上の遺伝子の異常によっておこる病気は、血友病、色盲などで、性の違いによって特異な遺伝のしかたをする。たとえば父が色盲で、母が正常色覚のとき、子供はすべて正常になるが、娘が生んだ男の孫の半数は、色盲となる。 |