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食欲 摂食行動



 

 腹ぐあいを左右するもの

 視床下部にある二つの中枢は、からだの内部の情報をキャッチして、その情報をもとに、食欲や摂食行動を起こす。これらの中枢の神経細胞の活動を駆動する原動力には、次のようなものがある。

@ 血液性状の変化
 血液中のブドウ糖の濃度が上昇すると、飽満中枢の神経細胞がそれを感じて活動が盛んになり、満腹感を覚える。はんたいに、血中のブドウ糖の濃度が下がると、摂食中枢の活動がたかまり、空腹感を覚える。

● はげしい運動の後で腹が減るのは、運動によって血液中のブドウ糖がついやされたため、摂食中枢の活動が上昇することが原因の一つである。

● 血液のブドウ糖以外の食物代謝物が関係しているという結果もある。2匹のネズミを手術で相互の腹膜を縫い合わせてつける。次に一方のネズミの飽満中枢を破壊すると、過食のために太ってくる。ところが相手側はえさをほとんど取らず痩せてくる。

 前者が過食するため、血液中の代謝産物が多くなり、これが後者の血液中に入るため飽満中枢の活動が上昇したためである。この場合、血糖が関係しないことは、一方の血液のブドウ糖の量を大きく変化させても相手側のブドウ糖量は変化しないことから明らかである。
 
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A 熱
 食物消化によって発生した熱量が、視床下部で感受され、飽満中枢の活動上昇をきたすという考え方もある。

● 外部環境の温度が低いと摂取量が増加するが、温度が高いと減少する。これは高温では血液温度も上昇するために、飽満中枢の活動が上昇して食欲がなくなるためである。

● この場合、飽満中枢が直接温度に特別に感じるのか、あるいは視床下部の前部にある体温調節中枢が活動して、それによって飽満中枢の活動が上昇して摂食中枢を抑制するのか、よくわからない。

B 胃壁の緊張度の変化
 猫の胃に風船を入れて膨らますと、飽満中枢の活動が上昇し、摂食中枢の活動は低下することが観察されている。胃壁が緊張して引っ張られると、そこにある緊張度を感ずる装置(張力受容器)が興奮して、信号を胃の迷走神経を介して飽満中枢に送り込むため、えさをそれ以上取るのをやめるためである。

C 薬の影響
 アドレナリンやグルカゴンを注射すると、人間でも動物でも食欲がなくなる。インシュリンを注射すると、ぎゃくに摂取量が増える。

● 婦人の月経直前には、摂取量や飲水量が増える。性ホルモンも食欲に関係していることは確かである。

⇒ 食欲はどこで起こるか
 
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