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 夢にも倫理規定がある

 精神の世界が解体して、あいまいなものになったり、常識的な制約がうすれたとしても、夢の世界は全く自由なものとはいえない。

 私たちの心の中にある道徳的な感情は、夢にも根強く作用する。その結果、夢に現れた光景や、それに伴う感情が不道徳なものである場合は、道徳的な抑圧作用によって夢は変化してしまう。

 夢の中で殺人が行なわれることは少なく、途中でイメージは変化して衣服を破ったり器物を割るといった形をとる。性的交渉の場面も、生々しく全てを見たり体験する事はまれで、性器が象徴的な形に変わったり、別の場面に変化したりする。

 夢には味も臭いも色もある

 ふつう、夢を見るという。しかし夢の中で音を聞く事は、かなりあるし、味や臭いを感じることもある。夢に色彩がついている事もある。生まれつき目の見えない人の夢は、声や音ばかりで姿はない。

 目も見え、音も聞こえる人は、いろいろな内容の夢を経験するはずであるが、視覚に訴える夢が一番多いのは人間が視覚動物のせいである。

 夢は欲求不満の解消に役立つ

 夢は、なんらかの形で願望や欲求とつながっている。夢を見ることは無意識的な欲求不満の解消の手段である。日常のかなえられない願望が、夢の中で代償的にかなえられている。この効果があるからこそ、毎夜のように私たちは夢を見るわけである。

 夢を見るときは「身体の休息」

 逆説睡眠は生理的に大きな意味を持っている。つまり、ふつうの眠りが脳細胞の疲労回復のための「脳の眠り」であるのに対し、逆説睡眠は「身体の眠り」であると考えられる。
 
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 「身体の眠り」とは、言い換えれば、内臓や筋肉を操っている手綱がゆるんだ状態であり、逆説睡眠のとき、心臓の拍動や呼吸が乱れ、骨格筋の緊張がなくなったりするのは神経のコントロールがなくなって、それらが勝手に動き出した状態と考えられる。

 逆説睡眠は、生きるために欠かせない物である。事実、逆説睡眠をとらせない「断夢の実験」を行なうと、多食、性欲の亢進など本能的な欲求が強まり、動物を始め人間も異常行動を取るようになる。

 夢を見ている状態、つまり逆説睡眠の時が、身体の休息の時であると考えると、夢は多いに見るべしという事になる。
 
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