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視床下部 肥満



 

 食欲と関係のある視床下部

@ 脳と食欲

 大脳が食欲調節に関係していることは、脳疾患の患者のなかに肥満体や、ぎゃくに極端にやせた人が発生することから想像はされていた。


 さらに以前から、ネズミの視床下部だけを限局的にこわして脂肪症をつくることができたり、こわす部位によっては摂取量が減ったり、無食、無飲水になることが観察されていた。

A アナンドとブローベックの実験
 脳と食欲の関係を実験的にたしかめたのは、1951年、アメリカのエール大学におけるアナンドとブローベックの二人の研究からである。

● 彼らは、ネズミ94匹と猫2匹を使った実験で、視床下部の外側部を左右とも両側破壊すると、餌や水を全然取らなくなること、また視床下部の内側部を左右ともこわすと、餌を食べる量が増し、体重もどんどん増えてくることが分かった。

B 空腹と満腹の情報センター
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 視床下部の外側部を摂取中枢といい、内側部を飽満中枢という。摂取中枢は食欲を起こし、空腹を感じる中枢であり、飽満中枢は満腹を感じる中枢である。アナンドとブローベックによる実験は視床下部にある二つの中枢による食欲のしくみを、はじめて明らかにした画期的なもので、この結果は多くの研究者たちの追試によって、さらにいろいろのことが確認された。

● 猫やネズミなどの摂取中枢に電極を埋め込み、1日に1時間ずつ電気刺激すると、摂取量は明らかに増加する。また動物が満腹状態にあっても、摂取中枢を電気刺激しているあいだは、餌を食べることが明らかになった。

● 満腹状態ではあるが、渇きの状態にしたネズミに水を飲ませる。摂取中枢を刺激すると、水を飲んでいる最中でもやめて、えさ箱のところに行き食物をとる。

● 猫やネズミなどで、飽満中枢を電気刺激すると摂取量は減少する。猫が魚を食べている最中に、飽満中枢を刺激すると、かむのをやめて、魚が下に落ちても見向きもしないが、刺激をやめた直後には、ふたたび食べ始める。

C 二つの中枢は抑制しあう
 このように食欲には、視床下部にある空腹と満腹の二つの中枢が関係していることが分かったが、人間でも視床下部が損傷すると、過食してどんどん太っていく病気があることから、おなじ仕組みが働いていると思われる。

 また、摂食中枢がさかんになると、飽満中枢はおさえられ、飽満中枢が活動上昇すると、摂食中枢の活動が抑えられることが分かっている。

⇒ 腹ぐあいを左右するもの
 
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