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記憶 健忘



 

 記憶のつくられ方

 記銘には時間がかかる

@ 最近の記憶ほど忘れやすいという逆向性健忘の事例は、印象が脳に刻みこまれるためには、一定の時間が必要であることを示している。記銘は徐々につくられるものであって、それがじゅうぶんに強く形づくられるまでには時間の経過が必要である。

A 動物実験によると、ショックが学習後15分以内に与えられると、学習はほとんどできない。しかし、1時間以後に与えられた場合には、なんの影響もないことがあきらかにされている。このことからも、子どもの勉強の直後、ひどく驚かすようなことは避けたほうがよい。

 記憶はどうしてつくられるか

@ 記憶は信号の流れである

 
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 もろもろの印象は脳にたくわえられているが、それがどんな精神活動によるものか、生理学的なしくみはまだよくわかっていない。しかしほかの精神活動と同じように、記憶のしくみも大脳皮質の複雑な神経細胞の連鎖を、次から次へと伝わる信号の流れであると考えられる。

A 脳のなかの閉回路

 脳を組み立てている神経細胞は、お互いにつながりあって、とじた環、つまり閉回路をつくっており、感覚の信号がこの閉回路のなかに送り込まれると、刺激がなくなったあとも、残響のように信号がとじた環のなかを、ぐるぐる回っていると考えられている。

B シナプスの構造が変化する

 この反響回路の活動が、じゅうぶんに持続するか反復されると、閉回路を組み立てている神経細胞のシナプスに構造的な変化が生じて、決まった型の閉回路に信号がいつまでもすぐにまわりうるようになる。

● 信号がたびたび通ると、シナプスが信号を伝えやすくなることは脊髄の運動神経で確かめられている。

C 再認、再生のしくみ

 細胞の構造的変化がひとたびできると、かなり長い期間維持され、次に同じような刺激が与えられると、次々に複雑なネットワークの活動を連鎖的に開発していき、はじめの経験と同じような経験が生じる。これが再認、再生のしくみである。ひとたび形成されたネットワークが崩壊すると、忘却ということになる。

D 神経細胞の物質的変化

 神経細胞がシナプスを介して信号を受けると、細胞質を組み立てているタンパク質の構造に変化が起きるのではないかという考えが発表された。繰り返して同じ信号がくると、あるきまった型のタンパク質が合成され、それが記憶痕跡の形成であるという考え方である。いろいろの実験によって推測されたものであるが、直接の証拠はなにもない。
 
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⇒ 反射とは
 




 

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