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記憶 知能



 

 記憶とは

 記憶は人間の知能と行動を律するものである。記憶を失った人の悲劇は映画や小説の世界だけでなく、わたしたちに周囲にもよくみられる。また、科学を発達させ人間の文化を築き上げたのは人間の記憶の良さであるが、いっぽうではこの記憶の良さが、数々の悲恋物語やかなしい思い出をうむことになる。この記憶のしくみは、脳にある。

 記憶とはなにか

@ 記銘


 わたしたちの毎日の体験は脳のどこかに「痕跡(こんせき)」という形で刻み込まれている。これを記銘という。

A 再認、再生

 いちど記銘されたものは、それを保存し(保持)、必要に応じて前に見たり聞いたりしたことがあると確認したり(再生)、思い出したりする(再生)ことができる。この全体のしくみを記憶という。

B 忘却

 記銘されたものが保持できなくなり、再認や再生ができなくなることが忘却である。

C 記憶は変容する
 
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 いちど記銘されたものは、そのままの状態で保存されていることはきわめてまれで、その後のいろいろな経験の影響を受けて、変わっていくのがふつうである。とくにあとから似たような経験をすると、変わり方の程度も大きい。

 記憶のしくみは脳にある

@ 記憶は脳にたくわえられる


 記憶のたくわえられる場所は、大脳皮質全体であると考えられる。この記憶の倉庫から、引き出したり、しまいこんだりする働きをするのが「古い皮質」の海馬(かいば)という領域と「新しい皮質」の側頭葉である。

A 海馬と側頭葉

 記憶のしくみに海馬と側頭葉が関係していることは、動物実験や臨床実験によってはっきりしている。しかし、具体的にどのような役割をはたしているかということになると、とくに最近の出来事の記銘や再生に重要だという以外、まだはっきりとしていない。

 忘れにくいもの、忘れやすいもの

@ 強烈な印象は忘れにくい


 幼児が注射で痛い目にあうと、2度目は注射器をみただけで泣きだすことがある。交通事故にあった経験や、おぼれかかった思い出など、強烈な印象は一度でも、深く脳に刻みこまれる。

A 「古い皮質」と直結した記憶は忘れにくい

 本能的な欲求や、情動と結びついた記憶はなかなか忘れない。痛み・怒り・にがさ・恐怖・うらみ・ねたみなどはいずれも「古い皮質」と結びついている。「食い物のうらみはこわい」「江戸のかたきを長崎で討つ」など、いずれも「古い皮質」との心と直結した体験を指している。

B からだを使って覚えたことは忘れにくい

 スキー・スケート・水泳・自転車乗りなどは、子どものころにいちど覚えてしまうと、長い期間やらなくても、やれば結構すべれるし、乗り回すことができる。

C 知識は忘れやすい

 英語の単語や数学の公式など、知識として修得したものは、忘れやすい。知識を習得するためには「新しい皮質」のはたらきが必要であるが、「新しい皮質」のはたらきによって覚えるものは情動に結びついたものよりは、いっぱんに記銘のされ方が弱い。
 
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⇒ 記憶力をよくする
 




 

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