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泣き 笑い


 泣き、笑いの脳のしくみ

 動物の脳の視床下部や「古い皮質」を刺激すると、怒りや恐れの反応が得られるし、人間の脳でも、これらの場所の刺激で情動の体験をひき起こすことができる。しかし、脳のどこを刺激しても、泣きや笑いはほとんど引き起こせない。

 泣きや笑いには、情緒の反応などよりも、ずっと広範で複雑な脳の働きが必要とされるらしいが、その仕組みはまだ分かっていない。

 臨床的には、人間の脳の比較的限局的な病変で、ほとんど動機のない突発的な泣きや笑いの発作が繰り返して見られたという報告が、ときにある。

 それらでは、腫瘍・出血・てんかん性放電が、視床下部・橋(きょう)などの脳幹や、側頭葉・帯状回などにあることが多いという。しかし、それらの泣きや笑いは末梢的効果だけをもっていて、裏付けの感情を伴わないものが多いといわれている。

 大脳の「新しい皮質」の広範な病変によって、感情表出に対する抑制と統御が失われて、ちょっとしたきっかけで、哄笑や号泣をひき起こすこともある。泣き上戸・笑い上戸といわれるのも、この種のものであろう。

 健康生活における泣きと笑い

@ 日常生活に笑いを多く

 悲しいとき他人と談笑していると楽しくなるとか、悲しみの演技をしていると、自然に、本当に悲しくなってくるとよく言われている。日常生活の中になるべく笑いを多くするということは自分のためにも、他人のためにも、たいへん賢明な知恵といえよう。

 この意味は、笑うという行為が大切なのではなく、いつも笑いを出せるような精神状態に自分をもっていけるという努力が、その人を幸福にできるということである。

A 泣きは新局面を開く

 泣きは、どうしようもなく高まった悲しみを一気に開放して、新局面を開く準備に役立つこともある。悲しみに耐えられないとき、一人で、または親しい人の前で、十分に泣くことも有益なことである。よく泣けない人は、よく笑えない人だともいわれる。

B 泣きや笑いには創造的な意味はない

 笑ってばかりいる人には、しまりと深みがないが、また泣いてばかりいる人は意気地がなくて、頼りにならない。泣きと笑いは、もともと感情の開放であり、精神の弛緩であって、それ自身に創造的な意味はない。

 よく泣き、よく笑える豊かな情操を理性で統御して、自分の人生の歩みを整えるのが、泣きと笑いの生かし方である。
 
⇒ 言語能力
 



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