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怒り 恐れ



 

 情動を起こす脳

 情動を起こす脳のしくみ

 情動は、脳のどの部分のはたらきによるかという研究は、はじめイヌやネコについて、脳の一部分を取り除いていく方法によって行われた。動物でわかりやすい情動反応は、怒りと恐れで、そのため、この反応を起こす部分が最初に分かった。

@ 見かけの怒り
 視床下部と、それに続く中脳などを頭に残しておけば視床や大脳皮質を取り除いても、動物は怒ることができる。この時の怒りの反応を見かけの怒りという。

● 見かけの怒りのばあいは、おこっても攻撃の目標をうまく選ぶことができない。歯をむき、毛を逆立てるといった怒りの表出はするが、それだけのことで、おこらせた相手にかみつくといった行動はとらない。

● 視床下部も切り取られた動物、つまり頭蓋腔の大部分が空洞化してしまった動物でも、怒りの反応を起こすことができるが、この場合の反応は怒り反応の要素がまとまりなく表れる。したがって、一つのまとまった反応として、怒りの反応があらわれるのには、視床下部が必要である。
 
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A 怒りは視床下部で表出される
 ネコの視床下部と中脳を電気刺激すると怒りと恐れの反応を示す。この場合は脳切除のばあいと違い、視床下部から起こる情動反応も、中脳から起こる情動反応もほとんど区別がつかない。

 この実験では、脳はすべて完全に残っているので、怒りや恐れの反応はネコがイヌに出会ったときに起こす怒りや恐れの反応とまったく同じであり、ネコが目標を決めて攻撃したり、逃げたりすることができる。

B 怒りと「古い皮質」
 怒りに関係している脳の部位は、視床下部だけでなく、「古い皮質」の一部である扁桃核を刺激すると、視床下部を刺激したときに見られるほど完全なものではないが、怒りや恐れの反応がおこる。扁桃核などを大きく取り除くと、狂暴な動物でもおとなしくなる。

● 人間についても同じことで、狂暴性の精神病患者で「古い皮質」の一部を切り取ると、ヒトが変わったようにおとなしくなってしまう。このことは、怒りの行動を発現する視床下部や中脳に異常はなくても、「古い皮質」がこわれて、怒りの命令が出されなくなったためと考えられる。

C 情動がつくられるところ
 怒りのしくみには、食欲や性欲と同じように視床下部と「古い皮質」が重要な役割を果たしている。このうち、視床下部とは怒りの表出や行動に関係し、「古い皮質」で怒りの心がつくられていると考えられる。
 
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 快感を起こす部位が視床下部や、「古い皮質」にあることはネズミを使った実験で分かっている。人間ではこの部位が視床下部にあることは分かっているが「古い皮質」については、はっきりとわかっていない。

⇒ 情動とからだ
 




 

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