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被殻 血管の収縮



 

 冬の寒さと適応

 冬の寒さと適応

@ 冬は、からだに被殻(ひかく)ができる

 ちょうど動物が、冬になると毛皮を厚くして、寒さを防ぐのと同じような変化が人体にもあらわれる。気温の低下とともに、人体の皮膚表層部、とくに手足の部分の血管が収縮して、体温の低い部分が形成される。血管収縮の強い部分を被殻という。

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被殻のはたらき

 皮膚の表層部や手足の血管が収縮すると、血液は体内の深部に保存されるから、体熱が外に逃げるのを防ぐことができる。また、手足やその他の部分の皮膚表層部の熱伝導度は低下するから、保温の役を果たすことができる。

A 被服の利用

 被服の着用も寒さを防ぐ外的適応の一つである。人体が夏の状態のままで冬を過ごすとすると皮膚表面と大気の気温の差は大きく、冬の体温の放散は、夏の4〜5倍に達するが、これを被服の着用と被殻の生成により防いでいる。

● 冬の放熱量を調べた結果によると、放熱量の45%は被服によって防ぎ、25%は被殻で防いでいる。残りの30%は、体内に発生する熱(産熱量)に見合う放熱量となっている。

● このように体内で産生される熱量と放熱量がいつもバランスをたもっているので、体内に保有する熱(体熱)が一定となり、体温は一定に保たれる。
 
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B 冬は脂肪の燃焼も増加する

 冬は被殻の生成ばかりでなく、体内で蓄積した脂肪の燃焼をまして、冬の増加する放熱量に見合う熱を発生して、体温を一定にする。

C 筋肉の活動をまして熱の産生を高める

 冬になると全身の筋の緊張が増し、さらに寒さが増すと、筋は戦慄をおこして、熱産生量をます。

● 意識的に身体を動かして、筋作業をます場合もある。

 大出血と適応

@ 身体内部の循環血量を確保する


 大出血がおこったときには、まず、全身の末梢の血管が収縮して、残りの血液を身体の内部に集め、身体の重要器官(心臓・肺・脳脊髄)の血液循環を確保する。また、これによって極力血液低下を防ぐ。

A 組織液が血管内に流入して応急に血液量の回復をはかる

 組織液は、毛細血管で、血液の血漿中の水分が血圧に押されて露出して生じたものであるが、ぎゃくに血圧が低下すると、組織液が血管内に吸い込まれる。つまり、血圧が下がると自動的に組織液が血液のなかに入って、その量を回復させる。

B 水分の放出を防ぐ

 腎臓は、尿量を感じ、体内の水分をできるだけ体外に出さない。尿の量を節減するためには、副腎や大脳の視床下部からホルモンが分泌され、腎臓の水分排出作用を制限する。

● 副腎からは、アルデステロンが分泌される。このホルモンは、腎臓からナトリウムが排出されるのを防ぐもので、ナトリウムとともに流出する水分を節減する。

● 大脳の視床下部からは、ベソプレッシンが分泌される。このホルモンは腎臓における水分の再吸収作用をさかんにする。

C はげしい渇きをおこす

 大脳の視床下部では、水分の減少を感じて、渇感をおこし、体内に水分を取り入れようとする。渇感によって摂取された水は胃腸により、ただちに吸収される。
 
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D 造血作用がさかんになる

 脾臓で貯蔵されていた予備の血液は、出血と同時に補給され、やがて、骨髄で血球の量産がさかんに行なわれ、血液の再生が完了する。

● 組織液によって薄められた血漿のなかへは、肝臓から血漿タンパクが放出せられて、血液内の浸透圧(濃度)も回復する。

 外的適応と内的適応

@ 外界の変化に適応する


 人体は、外界の生活条件の変化に応じて、たえず身体の生理機能を整えて健康状態を維持しようとする。これを外的適応という。たとえば、夏の冬の体温調節がその例である。

A 体内の変化に適応する

 体内の異常現象にたいしても、諸器官のはたらきがそれに応じようと変化し、生命のいとなみを維持しようとする。これを内的適応という。たとえば、大出血のさいの血液の確保と回復がその例であり、障害を受けたときの痛みや発熱などの現象もそのひとつである。

 




 

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