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 皮膚の病気

 皮膚の病気の特徴

 皮膚の成り立ちは一見かんたんに見えるが、その顕微鏡的な構造に複雑さは内臓以上である。そして、皮膚にあらわれる病気の種類はきわめて多い。

 直接に生命に危険をおよぼす病気は比較的少ないが、皮膚病に悩む人が実に多い事実からも、明らかに皮膚病は重要疾患といわなければならない。

 構造とはたらき
 手甲の皮膚をつまんだとき、指のあいだにつまみあげられる部分が表皮および真皮と呼ばれる部分である。表皮はきわめて薄く、真皮は比較的厚い。真皮の下には皮下組織(皮下脂肪組織)がある。

 <表皮>
@ 表皮の厚み
 皮膚をすりむいたとき、そのすりむきがごく浅いと、わずかの血液が点々とにじみ出ることがある。この深さの傷は、皮膚のいちばん上にある表皮がむけて、真皮の表層を露出させたものと考えてよい。このとき、うす皮のようにむけてとれた部分が表皮である。

A 表皮細胞の変化
 表皮を顕微鏡で見ると、下から順に、基底層・有棘層・顆粒層・透明層(手掌と足底だけにある)・角層と呼ばれる規則正しい層状の構造が見分けられる。これは表皮細胞(表皮をつくる細胞)が、表皮の最下層である基底層で増殖し、それが変形しながら上へ上へと押し上げられて行くために、このような層状の構造ができ上がると考えられている。
 
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・つまり、表皮細胞は基底細胞→有棘細胞→顆粒細胞と変化し、最後に最表層の角質になる。

・角質
 角質は、きわめてわずかずつではあるが自然にはがれていく。肉眼でこの現象を見るのは困難であるが、長い間入浴しないでいるとアカとしてこれを見ることができる。

B 皮脂の役割
 皮脂は、皮膚表面にうすいクリーム状の層をなして広がる脂肪層の物質で、皮膚に柔軟性をあたえ、肌荒れを防ぐために重要な役割を果たしている。

・皮膚の表面に少量のインクを垂らしても、インクはすぐに拡散しないで円いしずくになってたまる。これも皮膚の働きによる。

・皮脂は、顆粒細胞が角質に変わるさいにできる脂肪と、皮脂腺から分泌されるものの2種類から成り立っている。

C 皮膚が水を通さないわけ
 表皮のきわめて浅い部分(角層の最深部)に、障害となる層があるためであると考えられている。

・もし、いろいろな疾患によって、この層がおかされた場合には、思いがけない物質が吸収されることもありうる。

D メラノサイトとメラニン
 メラニンという色素を作り出す細胞をメラノサイトという。この細胞は表皮の基底層にあって、基底細胞のあいだにちりばめられている。

・皮膚の色の違い
 人種によって皮膚の色に濃淡があるのは、メラニンの量が多いか少ないかの違いが原因になる。同じ日本人の中にも色の白い人と黒い人とがあるのも、表皮のメラニンの量に個人差があるためである。

・日やけとメラノサイト
 日焼けで皮膚が黒くなるのは、日光の作用でメラノサイトの活性が高まり、表皮内のメラニンが増加するためである。よくやいて黒くなった皮膚が、強い日光にあたっても炎症を起こしにくいのは、メラニンが日光から皮膚をまもる作用をするためである。

 <真皮>
@ 機械的な強さを保つ
 真皮の主成分は膠原線維や弾力線維などのタンパク質の線維で、皮膚に張りや弾性をあたえ、外力で皮膚がさけないようにする作用をしている。真皮が傷つくと、傷が開いて皮下組織が露出する。

・靴やカバンをつくる皮革は、動物の真皮をタンパク凝固剤で固めたものである。

A 毛髪
 毛は真皮に植わっているといっても、直接に真皮組織に接しているわけではない。毛は、表皮から続いた上皮性毛嚢と呼ばれる袋の中に包まれている。毛嚢のいちばん底にあたる毛母の上皮細胞が増殖して角化したものが毛であり、角化が進むにつれて毛は伸びていく。
 
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・メラノサイトは毛母にも存在し、毛にメラニンを与える。毛の色が人種によって異なるのは、毛のメラニンの量に差があるためである。

・皮脂腺
 毛嚢の中ほどにある分泌腺である。皮脂は、この腺から分泌される。

・立毛筋
 皮脂腺のやや下の部分からななめ上に向かって立毛筋(起毛筋)と呼ばれる細い筋肉が走っている。いわゆる「とりはだ」は、この筋が収縮して毛が立ち、毛嚢がふくれあがった状態である。

B 汗腺
 真皮の深い部分にある。エクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種類がある。エクリン汗腺でかく汗は、汗管を通って皮膚の表面に出て蒸発し、体温調節の役割を果たす。アポクリン汗腺はわきの下・へそ・陰部などの限られた部位にだけ存在し、その分泌は体臭の原因となる。

・アポクリン汗腺の分泌異常は「わきが」の原因となる。

C 血管
 真皮には血管(動脈・静脈)がある。真皮を流れる血液の色は、メラニンとともに皮膚色の重要な要素となる。

・皮膚を流れる血液が減れば皮膚は青白くなる。動脈血が増加すれば赤色が鮮やかになるが、静脈血が増加すれば赤色に暗色調をおびる。

D 神経
 真皮には知覚神経と自律神経が通っている。知覚神経の作用は触覚・温覚・冷覚・痛覚に分類される。自律神経は、皮膚の血流や発汗などを調節する役割を果たしている。

・皮膚病にしばしばともなうかゆみは痛覚線維のうち細いものによって伝えられることが明らかにされている。

 皮膚病の特色
@ 生命の危険性
 皮膚病の中にはがん・肉腫・汎発性紅斑性狼瘡・天疱瘡などのように、直接生命を脅かすものや、結核・梅毒・らいなどのような全身病の病変が皮膚にあらわれて、関節に生命を脅かすものがある。

・数多い皮膚病全体からみれば、生命の危険性をともなうものは必ずしも多くない。

A 皮膚病の重要性
 臨床医学の使命が生命の維持だけに限られるとすれば、皮膚病には重要度の低い病気が多いということになるかもしれない。しかし、結核による死亡数が減少してかえって結核対策が重要視されてきたように、生命だけを問題にするような狭い見方からは、近代医学を理解することはできない。

・医師や患者の立場は、決して生命の維持だけで満足するものではない。活動と快適とをさまたげるすべての身体的障害をのぞいて、幸福な人生をおくれるようにすることこそ近代医学の使命であろう。

B 皮膚病の範囲
 多くの皮膚病が、かゆみをともなう不快感で患者を苦しめ、顔面や頭部などの露出部位の病変が容貌を傷つけて患者を不幸にする。

 また、職業的に皮膚の障害を受けると活動能力をさまたげることになる。ときには、それが一家の生計をおびやかし、社会から有能な労働者を奪うことにもなろう。このように、皮膚病の悩みは実にかぎりない。

C 皮膚病の種類
 皮膚病の病名はたいへん多いが、病気を大きく分けると次の三つになる。つまり、皮膚自体に病変のあるもの、全身病の一部が皮膚にあらわれたもの、内臓などに生じた限局性の病変が皮膚にあらわれたものの3種類である。

・内臓の病変が皮膚にあらわれた極端な例として、皮膚症状によって皮膚科医が胃がんを発見する場合もある。

D 皮膚病の原因
 細菌感染やいろいろな物質に対するアレルギーなどのように原因が明らかなものと、現在なお原因不明のものとがある。

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