病名 |
どんな病気か |
症状 |
はたけ(顔面単純性紕糠疹) |
・幼少児に発生することが多く、とくに夏に目立つ。
・原因は不明である。
・たむしと違って、伝染することはない。
・経過は良好である。 |
・顔面に、白く粉をふいたような、境界のはっきりした円形の発疹ができる。
・大きさは一定せず、多くは数個以上できる。
・痛み、かゆみはない。 |
治療
・決定的なものはないが、ビタミンAまたはB6を含むクリームを、洗顔後にすりこむ。
・洗顔にはビタミンAを含んだ石けんを使用。自宅の治療でよい。
・強い直射日光をさける。 |
あかばな(酒さ) |
・皮膚の毛細血管がひろがって充血し、鼻の頭が赤くなる。
・実際には鼻だけでなく、ほほ・あご・ときには前額にも目立つ。
・慢性経過をとり、治療しないと進行する。生命に別条はない。
・日光過敏および胃酸低下を見ることが多い。 |
・皮膚の毛細血管拡張がしだいに目立ってきて、ついには消えなくなる(第1度という)。
・つぎに、皮膚が油性になり病巣部に丘疹ができる(第2度という)。
・つづいて、かたいコブのようなものができる(第3度という)。
・痛み、かゆみはない。 |
治療
・ビタミンB2およびニコチン酸の内服。
・胃酸低下をみとめるときは、塩酸リモナーデの内服。
・コーヒー、ココア、からし、コショウなどの香辛料、飲酒はさけるべきである。 |
しみ(肝斑) |
・顔面の一部に限局した色素沈着である。
・日光直射を受けたのちとか、肝臓や卵巣の機能が低下しているときとか、精神的動揺を受けたのちに起こる。妊娠時の女性に多い。 |
・淡褐色ないし暗褐色をしめす色素斑で、境界ははっきりしているが形が不規則である。
・ほほ・目の周囲・ひたい・上唇などに左右対称側性にできることが多い。痛み、かゆみはない。 |
治療
・ビタミンCの内服と赤外線マッサアージを併用する。
・クロロフィリンの静注。
・日焼け止めクリームで直射日光をさける。漂白クリームはさけたほうがよい。 |
ベルロック皮膚炎 |
・香水・オーデコロンが皮膚につき直射日光を受けてしみができる。 |
・しみの場合と同じような色素斑がみとめられる。 |
治療
・ビタミンCを多量に摂取することで治療する。 |
そばかす |
・遺伝性の皮膚病である。そのため親子によくみられる。
・いっぱんに白色の人に多く、日本人より欧米人に多い。
・出生時にはないが、13〜14歳ごろからあらわれ、しだいに数を増す。 |
・コメ粒の半分くらいまでの淡褐色の小斑点が、群がって多数できてくる。
・痛み、かゆみはない。
・顔面だけでなく、肩や上膊にもできることがある。 |
治療
・根本的な治療法はない。
・ビタミンCおよび副腎皮質エキスを根気よく注射することで斑の色はうすくなるが、春先の日差しを受けると再び目立ってくる。
・不透明化粧品で隠す方法がある。 |
面ちょう |
・ブドウ球菌で毒性のあるものの感染による。
・フルブンケル ― 毛嚢脂腺系の化膿のことをいい、これは1個の毛嚢の場合である。
・カンブンケル ― 2個以上の毛嚢脂腺系が、1つの化膿巣に含まれている場合をいう。
・顔にできたフルンケルやカルブンケルを面ちょうという。 |
・毛穴に一致した赤いかたまりで、中心の頂点から毛が生えている。毛穴の部分にうみがみとめられることもある。
・痛みがあり、発熱をともなうことがある。
・化膿が進むと、中心がくずれて排膿し、そこに噴火口状のあとが残ってくる。 |
治療
・早期治療が大切である。
・生命の危険はほとんどない。
・抗生物質・サルファ剤の内用と、ピック膏・カルブンケンザルベを外用して排膿をうながす。
・痛みが強く、熱が高いときは安静にする。
・再発がいちじるしいとき、多数発生するときには、糖尿病の有無を調べる必要がある。 |
かみそりかぶれ(尋常性毛瘡) |
・男子の顔の硬毛部分に一致して発生する。
・なおりにくく、慢性経過をたどるものが多い。
・ブドウ球菌の感染で起こる。
・カミソリを使うと悪化してくるので、この名がある。 |
・口の周囲から耳の前方部分の硬毛に一致し、毛嚢が赤くなって固まっている。
・中心の毛穴に一致して膿疱がみとめられ、破れたあとに黄色のかさぶたをつくる。
・灼熱感が主で、ときにかゆい。 |
治療
・抗生物質を含む副腎皮質ステロイド軟膏の外用が有効。
・再発予防の目的には、ブドウ球菌トキソイドとビタミンB2の内用。
・]線療法で抜毛する方法は、最後の治療手段として応用される。
・場所の清潔に心がけること。 |
化粧品かぶれ(化粧品皮膚炎) |
・接触性皮膚炎の一種で原因が化粧品の場合をいう。
・化粧品かぶれには化粧品皮膚炎・ニキビ様の皮疹・顔面黒皮症の三つが含まれる。
・ここでは、化粧品皮膚炎について述べる。 |
・急性型 ― 顔と首の皮膚が赤くはれて、ほてった感じがある。
・慢性型 ― 顔の皮膚が乾燥し、ふけが目立つ。光沢がなく、くすんでしわが多くなる。皮膚が重くて、突っ張った感じがする。しだいに黒みをおびてくる。 |
治療
・副腎皮質軟膏の外用が有効。
・原因を明らかにして、以後の使用をひかえる。そのうえで再発したときは、体内の原因を調べる。
・急性型の予後は良好である。慢性型では皮膚の衰えがなかなか回復しにくい。 |