蓄膿症とは

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蓄膿症 原因


 鼻の病気;蓄膿症=副鼻腔炎

 鼻腔の外側に副鼻腔という腔洞がある。この腔洞に細菌が感染して炎症を起こし、膿がたまる病気である。

 前鼻腔には上顎洞・前頭洞・篩骨洞・蝶形骨洞の四つの腔洞が左、右にある。四つの腔洞は別々に炎症を起こすので、蓄膿症の場合、どの腔洞が炎症を起こしているかを診断するのが大切である。

 蓄膿症は鼻の病気の大部分(80%以上)を占めている。16〜25歳の年代に最も多くあらわれ、それ以外の年齢ではずっと少なくなっている。

 都市では小学生の約23%、農村部で約45〜50%がかかっている。

 男性に多く、女性の2倍にもなる。特に日本人には蓄膿症患者が多く、治療法も世界中でもっとも進歩している。

 原因
・ 鼻中隔が曲がったり肥厚性鼻炎が起きたりすると分泌物の排泄や空気の換気が悪くなる。そのうえ風邪などにより鼻炎が起きると粘膜が腫れ、ますます排泄や換気が悪くなる。

・ 粘膜の炎症は副鼻腔の粘膜に広がり、そこにも炎症がおこり分泌物が増加する。しかし排泄が悪いため粘膜はいよいよ水ぶくれのように腫れる。
 
・ このようになった粘膜は弱っているので、すぐに細菌が感染しやすく化膿を起こす。化膿した分泌物は排泄されずに副鼻腔にたまって蓄膿を起こす。

 どんな人がかかりやすいか
 アレルギー体質の人。

 はしかや肺炎にかかった人。

 両親の両方か一方に重い蓄膿症がある人。

 歯の疾患や抜歯から上顎洞へ穴があき、細菌が感染して上顎洞炎を起こした人。

 症状
 副鼻腔は薄い一枚の骨壁で直接眼窩と接したり、耳管で中耳腔につながったりしている。また咽頭、喉頭、食道などにも連続している。このため、蓄膿症にはいろいろな症状がおこる。

 鼻だれ(鼻漏)
 俗に二本棒というほど多量の鼻汁を唇の上まで流していることがある。鼻汁が多い場合には外鼻孔から出るが、篩骨洞炎のときのように、膿がたまるほど大きな腔洞のないところの炎症では、分泌物も少なく、少量の鼻汁が自然に咽頭のほうへ流れたまって、「タン」のようになって口から排泄される。

・ 朝起きた時にこのような「タン」が多く出て、日中はあまり出ない場合は篩骨洞炎を疑う必要がある。

 鼻づまり(鼻閉)
 蓄膿症が起きる以前から慢性(肥厚性)鼻炎が起きているため、鼻甲介が肥大し鼻粘膜もはれ、気道が狭くなっている。このためほとんどが鼻閉感を訴える。

・ しかししだいに口呼吸を覚えてあまり鼻づまりを訴えなくなる。

 頭痛と頭重
 鼻の付け根、(鼻根部)が痛んだり重く感じたりする場合が多い。特に下を向いて仕事をしているとよく感じる。後頭部や側頭部に頭痛を訴える者もある。

・ 鼻根部の頭痛は大部分が篩骨洞炎がある場合である。

・ 副鼻腔の換気障害、排泄障害、分泌物の腐敗による刺激などが頭痛の原因でもある。

 嗅覚障害
 篩骨洞炎がひどくなって鼻腔の上方がふさがったり、粘膜が腫れたりすると、嗅覚障害がおこり、臭いが分かりにくくなる。

 神経症状
 鼻性注意不能症といわれる症状を起こす。特に神経質の人に多く、気分が不安定になり、仕事に根気がなくなる。注意力が散漫となり記憶力も減退する。

 周囲の器官への影響
 視力が弱まる
 副鼻腔はうすい骨壁1枚で眼窩に接している。そのため副鼻腔の炎症は眼窩へ影響しやすい。視野が狭くなったり、視力が弱まったりすることが多い。

・ 視神経自身が蓄膿症のため弱くなり、ひどい場合には失明することもある(鼻中球後視神経炎)。

 耳管カタルや中耳炎を起こす
 炎症が耳管の開孔口から耳管内に侵入して耳管カタルや中耳炎を起こす。膿が入れば化膿性中耳炎になる。したがって蓄膿症を治さないと中耳炎も治りにくい場合が多い。

 慢性咽喉頭炎を起こす
 膿が咽頭に流下し喉頭、気管へ流れていくと粘膜を弱くして慢性咽喉頭炎、気管、気管支炎などを起こしやすくなる。

 消化器系統を悪化させる
 自覚せずに膿を飲みくだし続けているので慢性胃炎などの原因ともなる。

 治療
 この病気は自然に変動してよくなったり悪化したりする。老年になって自然によくなる場合もあるが、一般には専門医の治療が必要である。

 薬物療法
 急性症はふつう手術をせずに薬物療法と局所療法だけでなおる。有効な抗生剤を決めて用いるとともに消炎療法を行なう。また、慢性症の場合でも手術のできない患者や小児にはこの方法が取られる。

・ 鼻腔や副鼻腔の通気と排泄をよくするためにスプレーなどで粘膜麻酔剤充血除去剤、消炎収れん剤などを噴霧する。

・ 前述の処置のあとで副鼻腔内へ有効な薬剤を注入する。

・ 慢性症でも軽度の上顎洞炎の場合は、太い針をさして洞内を有効な抗生剤溶液で洗浄する。

 手術療法
 炎症を起こしている副鼻腔がどの腔洞であるかによって手術方法が変わる。いずれの場合でも鼻腔内の蓄膿症を起こす原因となる病変も同時に手術で矯正する。

・ 上顎洞炎の手術
 口腔内上口唇裏面から大きく手術する場合と鼻腔内から上顎洞を下鼻道側壁から開窓する場合とがある。どちらにするかは専門医の診断のあとで決定される。

・ 篩骨洞炎の手術
 原則として鼻内から手術し、同時に上顎洞孔、前頭洞孔も広く開放する。

・ 前頭洞炎の手術
 顔面のまゆ毛の下縁から鼻根へかけて切開し、外部から腔洞を開放する。同時に篩骨洞も開放し、鼻腔内の中鼻道へ広く交通させる。




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