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まぶたの病気 結膜炎


 目の病気

 まぶたの病気 ― 結膜炎 / トラコーマ=トラホーム・結膜濾胞症
  ただれ目=眼瞼縁炎 / 逆さまつげ / 赤目=眼瞼外反
  ものもらい=麦粒腫 / 涙嚢炎

 眼球の病気 ― 角膜炎 / 突き目 / 目ぼし / 円錐角膜
  網膜剥離 / 網膜硝子体出血=眼底出血 / 網膜芽細胞腫 /
  硝子体混濁 / 視神経炎 / 緑内障 / 虹彩毛様体炎・ブドウ膜炎
  中心性脈絡網膜炎 / 網膜色素変性症 / 白内障
  

 まぶたの病気:結膜炎

 結膜に炎症がおき、発赤、腫脹し、眼脂(目やに)の出る病気である。

 結膜とは眼球の前半部で、角膜(黒目)を除いた部分の目の球をおおっている球結膜(白目)と眼瞼を裏返したときにみられる眼瞼結膜の二つの部分よりなり、両者は上下の結膜円蓋部でつながっている。

 結膜は眼瞼とともに眼球を外界から保護し、脂肪に富む分泌腺をもって眼球の回転運動を円滑にするとともに、細菌などの侵入をふせぐ砦の役目をもっている。

 結膜炎の分類
@ 急性結膜炎
 細菌によるものとウイルスによるものとがある。

・細菌性
 いろいろな種類の桿菌、球菌の中で人間の結膜に特異的に規制するものによる感染症。感染から症状が始まる潜伏期は、菌種、侵入量によって異なるが、早いものでは1〜2日で発症する。

・ウイルス性
 代表的なものは、流行性角(膜)結膜炎である。病原体は、風邪のウイルスに似たアデノウイルスで、感染から約5日後に発症するのがふつうである。

A 慢性結膜炎
 緩慢な結膜の炎症が長く続く病気で、急性結膜炎が完全になおりきらずに慢性に移行したり、慢性の物理的、化学的、生物学的刺激により起こる。

 原因
・ 物理的原因 ― 強い紫外線、ほこり、糸くずなどの刺激によって起きる。

・ 化学的原因 ― 排気ガス、酸やアルカリなどによっても起きてくる。

・ 生物学的原因 ― 細菌やリケッチア、ウイルスなどの毒素によって急性、慢性の炎症を起こす。

・ その他 ― 外界の刺激に対して複雑な反応をしめすアレルギー性の結膜炎がある。

 一般的症状
@ 充血
 結膜が目に侵入すると外敵と戦うために血管を広げ、血流をさかんにして白血球やリンパ球を呼び込むために起きる。

A 眼脂(目やに)
 眼脂は、結膜での外敵との戦いの残骸で、このなかには多くの白血球、リンパ球と細菌がみとめられる。

B リンパ腺腫脹
 炎症が激しいと、耳介(耳たぼ)前のリンパ腺がはれたり圧痛が起きたりすることがある。

C その他
 炎症が弱いときはかゆみ、強いときは異物感があり、眼脂のためにものが見えにくくなったりまぶしさを感じたりする。起床時に目やにでくっついて目が開かないこともある。

 治療の原則
@ 物理的刺激による場合
 紫外線によるときは、紫外線をカットするために眼鏡をかける。ごみやほこりなどの機械的刺激によるときは、ごみやほこりなどを取り除いたり洗い流したりするとよい。

A 科学的刺激による場合
 酸やアルカリなどを洗い流したり、弱アルカリや弱酸などで中和させたりする。

B 生物学的なものによる場合
 細菌やウイルスなどによるときは、眼脂を洗い流したあとに、その細菌やウイルスに特異的な効果のある抗生物質や制菌剤の点眼や内服を行なう。

・細菌やウイルスなど病原体がいろいろあり、専門医でもなかなかわかりにくいこともあるからしろうと療法はつつしむべきである。
 
C アレルギー性の場合
 原因となる抗原を取り除いたり、抗原と反応する抗体を弱めるために脱感作療法や反応を小さくするために副腎皮質ホルモンなどを使ったりする。

 急性結膜炎(細菌性)
 症状
@ 初期症状は両眼、または片眼性の充血と眼脂で、菌種によって異なるが、黄、白、灰色の透明性の少ない眼脂があり、異物感や差明があることもある。

A 菌種によって、たとえば淋菌性結膜炎、状態によって膿ろう眼、分泌物が多ければカタル性結膜炎などいろいろと異なった病名が付けられている。

 治療
@ 流行性角膜炎やトラコーマなど、伝染力が強く、後遺症の残りやすいものとの区別が難しいから、しろうと療法はさけるべきである。

A 分泌物があると薬効が減弱するから洗い流し、細菌に特異的に感受性のある抗生物質や制菌剤を点眼したり内服したりする。

B 菌の種類や個人の感受性によっても異なるが、一般的にウイルス性の結膜炎よりもなおりやすく数日から1週間くらいで治癒する。
 
 急性結膜炎(ウイルス性)
 症状
@ 初期の症状
 ふつう感染してから約5日間の潜伏期のうちに、片眼性の球結膜と瞼結膜の強い充血とろほうの多発ではじまる。眼瞼(まぶた)を裏返すと魚卵のすじ子を小さくしたようなぶつぶつが散在している(急性濾胞性結膜炎)。

・細菌性の場合と少し違って淡い灰白色の流動性の分泌物が多い。
・偽膜が瞼結膜をおおい、無理にはがすと出血する(急性偽膜性結膜炎)。
・伝染力が強い夏季に多発するものもある(プール性の結膜炎)。

A 1週間後の症状
 角膜の浅い層がおかされ(点状表層角膜炎)、異物感、差明、流涙が強く、ときには小さな目ぼしが何ヶ月も残って不正乱視となり、視力を少し低下させることがある。

 治療
@ 薬物治療
 適用範囲の広い抗生物質や炎症反応を軽くするための副腎皮質ホルモンを含んだ点眼薬水や軟膏を用いる。

A 予防
 熱湯にはこのウイルスは弱く数秒で死滅する。手指や煮沸できないものはせっけんを使って流水でよく洗い流すことが大切である。

・洗面器にたくわえられたクレゾールや石炭酸の消毒液ではこのウイルスはなかなか死滅せず、かえってこれが伝染病にもなるから注意する。

 発病中の注意
@ 職場や学校、幼稚園など集団内に交わることを避ける。

A 風呂やプールなどへ行かない。

B 家族間でも1〜2週間なるべくそばへ寄らない工夫が大切である。

 慢性結膜炎
 症状
 軽度の充血、眼脂、濾胞(慢性濾胞性結膜炎)、異物感、掻痒感がいつまでも続く。

 治療
@ 原因の除去と、細菌性のものでは制菌剤、抗生物質の点眼、眼脂や異物がある場合には洗眼も大切である。

A ガスやチリの多い職場では保護眼鏡をかけることもよい。




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