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 むちうち損傷

 むちうち損傷とは
@ くびは、重い頭を身体の躯幹(胴体)につなぐ結合部である。躯幹が強く突き飛ばされると、頭はあとへ残ろうとして、そのため首に強い屈曲がおこる。つぎの瞬間には、くびの弾性により頭は、今度は逆の方へ屈曲する。

A くびは、ふだんからかなり広い運動範囲をもってはいるが、突然に、しかも非常に強い力で躯幹が跳ね飛ばされると、くびの屈曲運動は正常なくびの屈曲可能範囲を超えるため、くびの筋肉、靱帯、頚神経(頚髄からでて、頚・後頭部・上肢へ分布する多数の神経からなる)、はなはだしいときは、頚椎などが損傷を受ける。

B 強い衝撃によって起こる、この首の動きは、ちょうど鞭の先の動きに似ているので、このとき生ずる損傷を、むちうち損傷と呼んでいる。

 交通事故によるむちうち損傷
@ 追突されたときや、バックして衝突したとき
 むちうち損傷は、交通事故ではしばしばみられ、とくに乗用車に乗っていて追突されたり、バックして後ろの車や障害物に衝突したときに起きやすい。これは身体の躯幹が座席とともに、前方へ飛ばされたり、急に停止するため、頭が後方へのけ反り、くびが、後ろへ強く屈曲するからである。

A 前進中の車が衝突事故により急停車するとき
 この場合は、躯幹は車とともに急に停止するが、頭は慣性によって前方へ突進するので、くびは強く前方へ屈曲し、次の瞬間には、くびの弾性によって、逆の方向へのけ反り、むちうち損傷が生じる。

 症状
 くびの痛み
 くびの疼痛は、むちうち損傷の症状の中心をなす。
 
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@ 24〜48時間後にあらわれる
 痛みは、受傷直後にあらわれることもあるが、多くは24〜48時間後になって、はじめてあらわれる。

A 後頭部の痛みをともなう
 頚部から出て後頭部へ分布している後頭神経が、頚部で損傷をこうむるため、くびの痛みは、しばしば後頭部の痛みをともなう。

B くびの運動が不自由になる
 痛みは、くびを動かすとひどくなるので、くびは一定の姿勢を自然ととるようになり、くびの運動が不自由になる。

・痛みの感じ方
 くびを後方へ曲げたときに、もっとも強い痛みを感じることが多い。くびの側部および後部の筋肉をつまんだり、おさえたりすると痛みを感じる。また後頭部下方で、正中線から2〜3a横を上行する後頭神経をおさえると、強い痛みを感じる。

 上肢の症状
@ 痛みの広がり
 くびの損傷がさらに強いと、痛みは首だけでなく、肩、腕、手、指にまで広がる。

A しびれと運動の不自由
 手や指にしびれ感があらわれたり、手や指の運動が不自由になる。くびの運動も、いっそう強く制限される。

 重症の場合
@ 非常に強い衝撃が加わったときは、頚椎の骨折、脱臼、椎間板ヘルニアなどがおこり、脊髄が損傷をこうむることがある。

A この場合は、たんに首や上肢の痛みや運動障害が強いだけでなく、下肢にも運動や感覚の障害があらわれたり、排尿、排便障害など、いろいろの重い症状をともなう。

 脳の損傷による症状
@ 脳のこうむる損傷は一般に軽く、受傷のとき、頭がぼーっとしたという程度ですむことが多く、意識を失うことは少ない。

A しかし脳は全く障害を受けないというわけでなく、脳が強く揺さぶられたための後遺症状として、めまい、嘔気などがよくみられる。

 症状を起こしやすい不利な条件
@ 頚椎の異常
 頚椎は年齢とともに比較的早くから老人性の変化をしめし、50歳代で約半数の人に、すでに加齢による明瞭な変化がX線でみられる。このような人がむちうち損傷を受けると、重い症状をあらわしやすく、またなおりにくい。

A 神経質な性格
 神経質な人では、症状が長引きやすい。
 
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 経過
@ 軽症例では
 受傷後、4〜48時間頃からあらわれる諸症状が、5〜6日、あるいは2〜3週間で消失することが多い。

A より強い障害のとき
 症状が、1〜2ヶ月以上、持続する。

B 重症例で骨に損傷を生じた場合
 受傷直後から症状があらわれ、半年あるいは1年以上にわたって、症状が持続する。

C 脳の損傷による症状
 いっぱんに損傷の程度が軽いため、早期に消失するが、神経質な人では、めまい、嘔気などが数週から数ヶ月にわたって持続することがある。

D 受傷直後、頚部に二次的変化が生じた場合
 1〜2か月後のなって、初めて頚神経に障害を及ぼすようになるため、受傷後1〜2カ月を経過したころから、くび、上肢の痛み、しびれ感などがあらわれてくる場合がある。

 療養上の注意
@ もっとも大切なことは、まず専門医の診断を受け、適切な治療方針を決めることである。

A 自分の症状を過大に評価し、不必要な不安感を抱くことのないように注意する。

B 手術を要するような重症のむちうち損傷の場合、あやまった家庭療法、たとえば、指圧などを行うと、たとえ一時的に症状が軽快したかに見えても、脊髄の損傷のような重大事を引き起こす危険があるので注意する。
 

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