病気の知識 骨・関節・筋肉の病気

私たちのからだと健康
TOP > 病気の知識 > 脊椎の病気

骨 関節 筋肉 脊髄損傷



 

 脊椎の病気

 脊椎の一つ一つは後方部分が重なり合って、脊椎管というトンネルを形づくり、この中を、脳に連なって手足や?幹の運動をつかさどる脊髄が走っている。脊椎の外傷や病気で最も大切なことは、脊髄麻痺の有無を早期に診断し、麻痺がある場合には、麻痺が回復しやすい方向に治療することである。

 <脊髄損傷>
 どんな病気か
@ 被膜につつまれた柔らかい脊髄はかたい脊椎管と密接しているために、脊椎の外傷や病気の影響を受けやすい。

A 脊椎に外傷や骨折がおこると、その場所で脊髄が傷つけられ、感覚や運動が麻痺したり、激痛がおこったりする。

B 脊髄損傷は、頚椎の下部および胸腰椎移行部に起こりやすい。

 症状
@ 脊椎に外傷を受けて、手や足が動かなくなり、感覚がなくなったら脊髄損傷の疑いが強い。

A 頚椎下部に損傷がおこれば、くびのつけ根から下の部分、胸腰椎移行部に起これば足の運動と感覚がなくなる。

・いずれの場合にも、大小便の感じがない。
 
スポンサードリンク
 治療
@ 脊髄は、いちど完全に損傷すると回復が不可能である。しがって脊髄損傷によって起こった手足の麻痺をなおす手段はない。

A 失われた運動や感覚を取り戻すことよりも、残された運動や感覚を生かして、できるだけ独力で日常の動作ができるように訓練することが大切である。

B 経験のある医師の指示に従い、本人の努力と周囲の人の協力が患者の厚生に欠くことができない。

 家庭での注意
@ 患者を輸送するときには、細心の注意が肝要である。

A 脊椎が絶対に屈曲しないようにじゅうぶんな人手をかけ、戸板のような比較的固いものの上にうつしてから運ぶ。

B 患者のからだがねじれたり、曲がったりしないように、頭の両側には砂袋のようなものを添えておく。

C 運ぶ途中で大きな振動を与えることは禁物である。
 
スポンサードリンク
 その他の脊椎の病気
病名 どんな病気か 症状
脊椎破裂 ・生まれつきの奇形で、脊椎が左右に分裂している病気である。
・脊椎管に分裂があるほか、脊髄にも分裂のある高度のもの(脊髄破裂)から、表面には変化のみられないもの(潜在性脊椎破裂)まであって、病気の程度はさまざまである。
・潜在性脊椎破裂は、夜尿症(寝小便)の原因になりやすい。
・多くは脊椎に一致した腰の部分に柔らかい腫瘤ができる。
・ときには、足に麻痺のあることがある。
・潜在性脊椎破裂では、前述のように夜尿症の原因になりやすいが、とくに直接には症状をあらわさないことが多い。
治療
・重症の胎児の死亡率は高いが、軽症の場合は、欠損の度合いに応じて手術し、脊髄や脊髄膜を正しい状態に戻すことができる。
・脊椎後方のごく一部が分裂しているだけで、脊髄の被膜や脊髄自身に変化のみられない場合が多く、これらの手当は、とくに必要ではない。
脊柱側湾症 ・脊柱が横方向に湾曲している病気である。
・生まれつきの奇形、小児麻痺、くる病、肋膜炎によるもの、原因不明のものなどがある。
・からだに合わない衣服、机、いすなどでクセになる。
・湾曲の程度は一定していない。
・脊柱の湾曲は、初期では背中の筋肉のためわかりにくいが、病気の進行につれてはっきりしてくる。
・からだを前に曲げると、肋骨が飛び出したように見える。
・左右の肩の高さが違い、片方に骨盤が飛び出してくる。
・疲れやすくなる。
治療
・原因や程度によって治療法が違う。
・体操をして背中の筋肉を強くする。
・矯正ギブスで湾曲を少なくする。
・程度が強く、進行性の早いものは、ギブスで湾曲を矯正したあとに、手術をして脊柱を固定する。
少年期脊柱後湾症 ・ジョイエルマン病ともいう。
・12〜17歳の男子に多く、背中がだんだん円背(猫背)になってくる病気である。
・外傷その他を原因とするいろいろな説があるが、決定的ではない。
・しだいに背中が円背になる。
・肩は下がって丸く見え、首は曲がっている。
・痛みのないこともあるが、ときには、背中や下肢に疲労感や軽い痛みをともなう。
治療
・ギブスベットで安静を保ち、ときには牽引を数ヶ月間行う。
・体操や起立時間はだんだんに長くしていく。
・激しい運動や労働はさけることが望ましい。
脊柱分離症・脊椎すべり症 ・脊椎の前方部分を椎体、後方部分を椎弓と呼ぶ。
・椎弓の一部分がはれているのが脊椎分離症であり、このために脊椎が前方にずれているのが脊椎すべり症である。
・脊柱の最下方部(腰仙部)に起こる場合が最も多い。
・決定的な原因は不明である。
・腰にくびれたような、重苦しい感じの痛みがある。
・痛みは、長時間起立をしていたり、腰に力を入れて働いたりすると、とくに強まる。ときには足の方まで痛みのおよぶことがある。
・外見上は、腰の下のほうで脊椎が階段状に出っ張っているのが分かることもある。
治療
・痛みの強いときは安静をまもり、鎮痛剤などの処方を受ける。
・痛みの取れないときは、脊椎のあいだに骨を植え込んで固定する手術をすることがある。
・痛みの軽いときでも、腰に大きな力のかかるような仕事はさけ、なるべくコルセットを用いるように心がける。
脊椎の脱臼・骨折 ・脊椎の脱臼や骨折は、頚椎(首の骨)の下方部分と、腰椎(腰の骨)と胸椎のあいだの部分で起こる。胸椎ではいっぱんに起こらない。
・交通事故や産業災害で起こることが多い。
・頚椎下部の脱臼や骨折は、水泳中にあやまって頭から飛び込んで、また、胸腰部の場合は、強くしりもちをついて起こすことがある。
・首や腰を強く打ったり、屈伸したりしたのちに、ひどい痛みがあるようなら、まず、この病気を疑う必要がある。
治療
・牽引などで脱臼や骨折を整復してから、ギブスベッドやギブスコルセットを用いて治癒を待つ。
・治癒までに要する期間は、約8週間である。
変形性脊椎症 ・40歳以降になると、年齢的な変化の表れとして脊椎の外形が丸みを失ってくる。これを変形性脊椎症という。
・この病気は、しばしば中年以降の腰背痛の原因となる。
・背中や腰に特徴のある痛み―朝起床して動きはじめる時につらく、動き始めてしまうと比較的楽になる。
・しかし、夕方になると、再び痛みが強くなってくる。
治療
・痛みの強いときは安静を保ち、医師の処方で鎮痛剤を用いたり、マッサージをしたりする。
・温湿布や入浴も鎮痛に役立つ。
・コルセットをつけて、背中や腰の無理な動きを制限する。
強直性脊椎炎 ・脊椎に起こって、非常にゆっくりと病気が進行する関節炎である。
・20〜40歳代の男子に多い。
・リウマチが原因であるともいわれるが、詳しいことは分かっていない。
・早期の症状として、腰痛のあらわれることが多い。
・痛みは、しばしば夜間に強い。
・その後は慢性経過をたどって、数年後には脊柱がかたく曲がらなくなってしまう。
治療
・決定的な効果はないが、X線治療をしながら、脊柱が不自然な形のまま固まらないようにギブスベッドやギブスコルセットを用いる。
・全身的な栄養状態に注意する。
・脊柱の変形がいちじるしいときは、脊柱を切って形を整える。
椎間板ヘルニア ・椎間板(脊柱の弾力性を保ち、緩衝の役割を果たす円板状の軟骨)が年齢的変化などで、弾力性を失ったり、外傷を受けたりしたために、正しい位置からずれ、脊髄神経根を圧迫して、腰や下肢に激しい痛みをまねく。
・清壮年期の男子に多い。
・坐骨神経痛と呼ばれてきたものの多くは、この病気と考えられる。
・腰に力を入れて重いものを持ち上げたりしたとき、腰にグキッとした感じがして強い痛みがおこる。
・あおむけに寝て、ひざを伸ばしたまま上げようとすると、大腿や下腿の外側に刺すような痛みが走って直角まで上がらない。
・下腿の外側の感じがにぶったり、足の親指をつめの方へそらせる力が弱くなったりする。
治療
・安静を第一とし、骨盤の周囲に帯を巻いて足の方へ牽引したり、鎮痛剤を服用したりする。
・痛みがおさまっても、仕事をするときには、できるだけコルセットをつけるようにする。
・手術療法としては、椎間板のはみ出した部分を切除したり、椎間板を除去して骨を植えたりする方法がある。
老人性脊椎粗しょう症 ・骨のカルシウム分が少なくなって骨が弱くもろくなり、脊椎の形が変わってきて、背中や腰の痛みがおこってくる。
・老人の病気である。
・背中や腰の痛みは、突き刺すような、鋭いものではないことが多い。
・外見上は、いっぱんに背中が丸くなっている。
治療
・安静をまもり、鎮痛剤を服用する。
・この病気の痛みには、タンパク同化ホルモンの内服や注射が効果的である。
・栄養価の高い食品を摂取する。
・転んだり、しりもちをついたりすると、脊椎がつぶされて激痛をまねくので注意を要する。

スポンサードリンク

 



Copyright (C)  私たちのからだと健康 All Rights Reserved